真庭郷土検定「こどもハンザキ博士」育成事業

 
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ふるさと真庭郷土検定「こどもハンザキ博士」育成事業について



真庭遺産研究会では、今年度(平成21年度)、(財)日本財団からの助成により、郷土検定(真庭検定)事業を進めており、テキスト作成に着手している。

郷土検定(真庭検定)事業を進めるにあたり、関係者および市民有識者の知識やアイデアを活用し、随時、地域資源の掘り起こしや選定についての協力を求める予定である。

テキストの作成は、ふるさと真庭の残り景観資源となる自然文化遺産や良好な眺望について調査・掘り起こしを進め、これらふるさと真庭に残る美しい風景をなす自然や歴史文化遺産について、その由来や環境、人との関わりなどを紹介する形で、真庭地域全体の自然や気候風土、歴史、生活文化、社会経済などについての情報発信や知識を深めるとともに、地域資源を生かした観光交流や元気なふるさとづくりを進めていくことにしている。

今回、取り組むふるさと真庭郷土検定「こどもハンザキ博士」育成事業は、この郷土検定(真庭検定)事業の一環としても実施する。

(事業の背景)


旭川水系は、琵琶湖水系に次いで生息魚の種数が豊富で、全国でも屈指の生物多様性に富んだ水系とされ、その上流域は河川そのものが「特別天然記念物オオサンショウウオ生息地」として国(文化庁)の指定を受けているなど、真庭地域では、特別天然記念物オオサンショウウオを頂点とする地域固有の生態系が維持されてきたが、豊かな自然が見られた河川水辺の環境は年々悪化しており、オオサンショウウオについても早急な保護対策が求められている。

とくに、真庭市は、面積の約4割が天然記念物「オオサンショウウオ生息地」に指定されており、固体のみならず、河川を含む流域が天然記念物になっている。生息地が天然記念物として地域指定されているのは、全国で岡山県真庭市北部、および岐阜県郡上市と福岡県宇佐市の一部の3ヶ所のみである。

このように、真庭地域北部(旧湯原町、旧中和村、旧八束村、旧川上村)は、国によって「オオサンショウウオ棲息地」の天然記念物指定を受けているが、オオサンショウウオの生態は、地域住民でさえ知る人は少なく、住民にとって縁遠い存在になりつつあるほか、地域においてオオサンショウウオの保護・調査研究を専門とする人材は育っておらず、保護組織を発足し、保護活動を展開しようとしても、活動の核となる人材不足に直面するのが現状で、保護保全のための住民活動も困難な状況となっている。

(目的)


真庭地域に暮らしながら、オオサンショウウオの保護・調査研究および地域に残る自然文化遺産を活かした地域づくり活動を実践する河川環境保全や野生生物保護の専門家育成を目的とする。

(内容)


岡山県真庭市での第7回オオサンショウウオの会全国大会(オオサンショウウオ保護および調査研究に係わる活動団体、研究者が集まる全国大会)開催(2010年秋)を契機に、「こどもハンザキ博士」育成事業として、中長期的な事業計画のもと、真庭地域および近隣市町村に住む児童生徒を対象に、野生動物について学習するバス遠足を実施するとともに、野生生物や河川環境についての専門家を招いての水辺自然教室の開催、こども河川環境パトロール調査、オオサンショウウオなどの野生生物調査、河川清掃活動などの実践的環境保全活動、河川環境まちづくりフォーラムの開催、真庭地域河川環境学習テキスト作成などの事業活動を展開する。

■野生動物について学習するバス遠足


5月のGWや夏休みを利用し、安佐動物公園(広島市)や日本ハンザキ研究所(兵庫県朝来市)との連携協力のもと、真庭地域において、野生生物や環境問題に関心のある児童・生徒を集め、野生動物について学習するバス遠足を実施する。

バス遠足では、保護者の参加も受け入れ、世界的視点からみた野生動物保護の必要性の勉強や河川を活かした自然体験活動も学習メニューに加える。

■野生生物や河川環境についての専門家を招いての水辺自然教室


夏休みや休日を利用し、オオサンショウウオなど水生生物の調査研究者や専門家を講師に、水辺自然教室を開催する。水辺自然教室では水生生物についての学習のほか、沢歩きやカヌー・ラフティングを利用した自然体験活動も学習メニューに加え、これら体験の中で野鳥観察や樹木観察などの環境学習も実施する。

■こども河川環境パトロール調査


夏休み・春休み・休日を利用し、児童・生徒に参加を呼びかけて、真庭地域の河川環境の現状について調査する河川環境パトロールを実施する。環境パトロールは、初年度、オオサンショウウオなど野生生物の調査研究者の同行のもと、エコツアー方式でマイクロバスやカヌー・ラフティングボートなどを利用して真庭地域の河川環境を回り、真庭地域の河川環境の現状について調査学習する。

■オオサンショウウオなどの野生生物調査


オオサンショウウオなど野生生物の調査研究者の協力のもと、真庭地域における野生生物の生息生育状況を調査を実施するとともに、調査内容の公開と野生生物調査についての関心を高めることを目的に、児童・生徒とその保護者を対象に調査会を開催する。

■河川環境まちづくりフォーラムの開催


ふるさと真庭郷土検定「こどもハンザキ博士」育成事業を周知PRし、参加者・賛同者を募ることを目的に、河川環境まちづくりフォーラムをシンポジウム方式で開催する。

河川環境まちづくりフォーラムは、広く真庭地域住民の参加を呼びかける形で、岡山県真庭市で開催される第7回オオサンショウウオの会全国大会の前日(あるいは前週)に開催し、オオサンショウウオをはじめ真庭地域に残る自然文化遺産を活用した地域づくり・農村再生をテーマに、報告会・発表会・講演会(セミナー)・意見交換会(分科会)・現地見学会を開催する。

■河川清掃活動などの実践的環境保全活動


■こどもハンザキ博士「環境教室」ホームページ開設


■ハンザキ河川環境学習テキスト(真庭版)作成