茅場の保全 全国草原サミット ビオトープの保全 火山麓の風景












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全国草原サミット

























 

 草原は、火入れ、放牧、採草という数百年以上に渡って繰り返されてきた農畜産の営みによって、日本各地に形成されてきた。主に入会地として利用、管理されてきた草原は、戦後には農畜産の近代化、近年にあっては牛肉の自由化により不要になり、衰退しつつある。










 このような現状を受け、全国草原シンポジウム・サミットは大分県久住(1995年)で始まり、過去5回行われてきた。これまで、草原に対する国民の関心を高めると共に、草原保全の考え方及び実践に関する議論や各地での取り組みが報告されてきた。




















 大山から皆ヶ山、蒜山三座の麓に広がる高原農村域は、里山的環境要素の多い中国山地にあって、雄大な眺望をみせ、草原、放牧場、高原野菜畑、樹林帯、湿地、沢、水田がモザイク状に入り組んで、生物多様性に富んだ「水と緑の回廊」を形成している。






























 そこには、希少な植物種や植物群落も多く生育し、特別天然記念物オオサンショウウウオなど珍しい生き物も多く棲息している。一方、美しい自然や風景に恵まれた地域であるが、火入れ(山焼き)など、古くから人の自然と共生する人のいとなみが見られ、草原の周囲には多くの文化財が散在している。


























 そのように、優れた自然と景観に恵まれた地域であるが、観光開発が進み、多くの観光客が訪れ、かつての美しい自然は次第に失われつつあるほか、高齢化や産業構造の変化による草刈り山(里山草原)の荒廃が懸念されいる。




































 かつて草原は、採草地や草刈場、茅場などとして、全国に広く分布し、生物多様性の保全と美しい山村景観を演出してきたが、現在、急激に失われつつある。
 また、火山国「日本」では、富士山、羊蹄山、岩手山、岩木山、鳥海山、大山などの火山麓に雄大かつ美しい風景がみられたが、観光開発などにより、急激に変貌している。あわせて、大型火山は市町村あるいは県境を越えて存在していることから、その環境の保全について広域的な活動連携が必要とされている。





















 そこで、「大山・蒜山地域の魅力とその環境保全の必要性を広く国民にアピールするとともに、様々な立場間における共同参画型草原保全の実践的な方法を探ること」を目的に、平成17月11月11日(金曜)、12日(土曜)、13日(日曜)と、全国における草原関係市町村の首長が現状や取り組みを報告するサミット、講演、シンポジウム、現地見学等を行う。


















第7全国草原サミット・シンポジウムin大山蒜山
開催スケジュール

1日目/2005年11月11日(金)・・・・・・集合:川上コミュニティセンター
@集合・挨拶(10:00〜)
  主催者挨拶:澤本晴視(真庭遺産研究会会長)
A大山蒜山地域における優れた草原・牧野の景観(ビューポイント)見学会
     解 説:
上島ケイ一氏(蒜山文化協会会長)
      遠藤勝壽氏(大山自然公園指導員の会)
     行 程:
      〇朝鍋牧野・鳩ヶ原・・・蒜山地域の山焼き草原と大山火山群の眺望
      〇鬼女台・鏡ヶ成(この付近で昼食)・・・湿原と草原、大山・烏ヶ山の眺望
      〇御机〜福兼・末鎌〜金屋谷・・・麓の農村域からの大山火山の眺望
      〇大山牧場・枡水高原・・・秀麗な伯耆大山と牧野の景観
      〇豪円山〜香取地区・・・大山北壁と牧野の眺望

B解散(17:00) 川上コミュニティセンターにて解散
2日目/2005年11月12日(土)・・・・・・会場:江府町山村開発センター
@挨拶・挨拶(9:00〜)
  主催者挨拶:日置佳之(鳥取大学農学部付属フィールドサイエンスセンター)
  来賓挨拶:竹内敏夫氏(江府町長)
     大山の環境紹介:遠藤勝壽(大山自然公園指導員の会)

A全国草原地域からの調査および活動報告(9:30〜12:00)
    コーディネーター:瀬田信哉氏((財)国立公園協会理事長)
     〇大山地域:  小谷元伸氏(江府町文化協会理事)
     〇蒜山地域:  芦立紘一氏(蒜山エコツーリズム推進事業実行委員会)
     〇霧ヶ峰:   熊田章子氏(霧ヶ峰ネットワーク代表)
             栗原雅博氏(千葉大学大学院自然科学研究科)
     〇徳島県東祖谷山村:小串重治氏(総合科学株式会社主任研究員)
     〇三瓶山:   高橋佳孝氏(近畿中国四国農業研究センター)
     〇阿蘇:    山内康二氏(財団法人阿蘇グリーンストック専務理事)
     〇秋吉台:   阿座上昌亮氏(とってもゆかいな秋吉台ミーティング会長)
     〇広島芸北地域:白川勝信氏(芸北高原の自然館)
     〇奈良県若草山:谷 幸三氏(奈良県自然保護協会事務局長)
     〇東伊豆:   塩坂邦雄氏(東伊豆パラグライダークラブ)

B報告(13:00〜13:45)  主催者報告:徳永巧(観光カリスマ)
     テーマ:大山蒜山地域での草原・牧野の環境を活かした観光交流エリアの形成

  C基調講演(13:45〜14:30)テーマ:草原風景と火山景観の魅力
    講師:ブライアン・ウィリアムス氏(風景画家)

  Dパネルディスカッション(15:00〜16:30)
     テーマ:草原・牧野の魅力を活かしたエコツーリズム・グリーンツーリズム
    コーディネーター:塩坂邦雄氏(東伊豆パラグライダークラブ)
    パネリスト:ブライアン・ウィリアムス氏(外国人風景画家)
      山内康ニ氏(財団法人阿蘇グリーンストック専務理事)
      矢藤益美氏(女性カメラマン、鳥取県デザイナー協会理事)
      山田信光氏(蒜山エコツーリズム推進事業実行委員会会長)
      日置佳之氏(鳥取大学農学部助教授)

3日目/2005年11月13日(日)・・・・・・会場:川上コミュニティセンター

  @講演(9:15〜10:00)テーマ:草原地域における生物多様性保全
    講師:高橋佳孝氏(独立行政法人近畿中国四国農業研究センター)

  A研究報告(10:15〜12:00)
     蒜山大山地域での調査研究活動報告
     〇佐野淳之氏(鳥取大学農学部付属フィールドサイエンスセンター)
     〇山中和典氏(鳥取大学乾燥地研究センター緑化保全部門・助教授)
     〇岡本宗裕氏(鳥取大学農学部獣医学科実験動物学教室・助教授)

B参加者全員による意見交流会(13:00〜14:30)
     テーマ:中国山地における草原環境保全
     司会進行:佐野淳之氏(鳥取大学農学部付属フィールドサイエンスセンター)

  C閉会(14:30〜15:00)
次回開催地など事務局からの報告
  閉会挨拶:谷 幸三(晴れの国野生生物研究会)